佐々木光一、鈴木一之、前田薫
藤田信宏、高橋玲、大岩主弥
人見早苗、宮崎重信、今村祈履
井澤純、島田佳織、田中良、福森和浩、待寺優
及川崇治、横田遼、川村朋栄　他

■STAFF

作・演出：町田誠也(R:MIX)
アクション監督：藤田信宏(演激集団INDIGO PLANTS)
アクション指導補佐：人見早苗(劇団BRATS)　 宮崎重信　高橋玲
舞台監督：岩淵吉能
舞台美術：濱崎賢二
照明plan：鈴木 悟（MOON LIGHT）
照明ope：佐野まゆみ（MOON LIGHT）
音響：大庭隆之
音効操作：宮本雅行
衣装：友森麻友子
ヘアメイクプラン：MANAMI
楽曲制作：SHOGO　Micchiy(JMC)　千晴
タイトル文字：岡部亜美(関東LOVE JUNX)
イラスト：奥山佳恵
宣伝美術/写真撮影：curly_mads
チーフプロデューサー：野村昌史
プロデューサー：浅沼知子
スーパーバイザー：馬場 巧
制作：富板久美子　瀬戸山京子
企画・製作：有限会社エレメンツ　株式会社エクシタン

■町田誠也よりコメント

こん〇〇は。
R:MIXの町田です。
自分で言うと価値は下がりますが「昨年大好評でチケット入手困難」だった『継承』
再演される運びとなり、
私、町田が引き続き脚本だけでなく演出をやらせて頂く運びとなりました。

ただ、勘違いしないで頂きたい！！
「魔」のシリーズなどを打ち出して人の心の暗黒を描く町田が、
人助け的な話を描いて世間に気に入られようとか、
良い人のイメージを出そうとか・・・
そんな気持ちは微塵もありません！
そしてR:MIXファンに楽しんで頂けると思わなければここで宣伝も致しません！！

昨年ご覧頂いた方には無駄な説明でしょうが、
僕はこの試みを自分の学習と思っており、
彼らを俳優にする事で学ぶこと、彼らから別な視点で得られることを糧にして
通常経験しないだろう演劇体験を通じて、
またそれを支援する家族や多くのダウン症に関わる人達と言う
裏側からも観ることのできる点も含めて
きっと自分の糧になると思っており、
このプロジェクトに一切の人助けの気持ちは無いのであります。

僕は「偽善」が嫌いであります！
僕の作品を好まれる方ならきっとご理解いただけると思います。
だからこのプロジェクトが「ダウン症の方」を利用して
イメージアップを図る学芸会的試みであればやっていなかったと思います。

本作品『継承』はR:MIX、または町田作品の通常ナンバリングとして並べても
全く遜色のない作品であります。
R:MIXに数々出演している藤田信宏さんもこの脚本絶賛です。

ただし、それは「今」だからであります（笑）
昨年この脚本を稽古中に親御さんの前で配り、
親御さんに読めない字などをフォローいただく意味も含めて
隣に立ち会って頂いての本読みをした際には
ほぼ全出演者が「大丈夫か？」という顔をしていましたし、
親御さんはその脚本の厚さや、言葉の難解さも含めて
完全に面喰っていました。

僕も最初は脚本を描き始めた際、
なるべく子供でも分かる言葉みたいな事を意識して
優しい脚本をと取り組んだのですが５ページぐらいで
全部やめました。

「そんなの町田誠也がやる意味あるか？」

と思ったのです。
そんな誰でも出来るような事を僕がやる意味は無いし、
そんな表層的な理解で彼らと付き合うつもりもないからです。

だから僕は脚本に一切の「甘やかす意味での『優しさ』」を盛り込みませんでした。
ですが、彼らの未来の可能性を切り拓く意味での「厳しく追い詰める意味の『優しさ』」（「優しい」って日本語、曖昧ですね）をふんだんに盛り込みました。

結果、物凄く大変な取り組みでしたが、
その関わるスタッフの熱量に、
きっとあんまり本気で期待されてこなかっただろう彼ら出演者と
そしてその親御さんをまずは協力者として取り込むに至りました。

出演者の父親の１人から昨年千秋楽に言われた言葉があります。

「僕たち親は本当に町田さんに感謝をしている、
特に父親である自分はそれが大きい。
自分の子供である以上厳しく育てようと誓いながらも、
やっぱり母親を中心にどうしても甘やかしてしまっているし、
色んな意味でずぶずぶな所がある・・・
けれど町田さんは僕たち親の前であろうが遠慮なしに本気で彼らを叱ってくれた。
あんなに真剣に怒鳴られるような経験は彼らはきっと無かったはずだ。
それは町田さんが本気じゃなかったらやれないし、やらない。
そしてそこで言ったことを確実にやらせるために導いてくれた。
僕たち親は子供である彼らに期待していながらも
どこかで「無理」と諦めていたような事も町田さんは諦めようとしなかった。
それは本当に感謝だし、ありがたい経験をさせてくれたと思っている」

これも自分で書いたら価値なんか無いんだけど
僕の下がりようのない価値なんか（笑）今更無くていいから、
こういう事象を観に来てもらいたいと思って書きました。

兎に角言いたいことは、
油断して観に来たらみんな度肝抜いてやるって事です。
程嶋しづマさん、浅野泰徳さん、斎藤健二さん
僕とゆかりの深い人たちは昨年、その感情をぐらぐらにして差し上げました（笑）

本気で町田が作っている以上、
観なきゃ損なのだという事！！

ダウン症の彼らが添え物では無く、主役として
R:MIXの町田の本気脚本に出ている。
脇を含めたら出演者の約半分がダウン症を持つ出演者。
彼らが膨大なセリフを覚え、中国武術を学び、
舞台の上で語り、戦い、ドラマを描く
これだけで事件です！！
そしてそれを胸を張って面白いという僕がいて、
昨年チケットが全ステージ完売で入手極めて困難であった・・・

これだけで後は察してもらいたい。
そして稽古が始まって２週間ぐらいたったので申し上げますが、
当たり前ですけど「今年の方が面白くなります」
いつもなら、「観に来たらうっかり面白い」のでと締めるところでありますが、
残念ながら本作品『継承』は傑作なので
是非スケジュールの調整をして頂ければと切に願うばかりであります。

町田誠也

■Web担当よりコメント

昨年も、一観客として舞台を観に行きました。
R:MIXが好きなら、魔のシリーズが好きなら、タイトルの時点で琴線に触れる方も多いはずです。
そして、そこは「R:MIX」の町田さんの描くお芝居。
容赦なく力で蹂躙してくる敵を前に、時にむごたらしく、時に熱く、倒れていく人々。面白さも、厳しさもある。がっつり、いつもの「R:MIX」で描かれるようなお芝居でした。

迫力ある、殺陣シーン。次々に繰り出される、技の数々。
弟子達が「成長」し、「継承」していく姿と、その過程で聞く事になる台詞の数々は、今でも思い出せるくらい印象に残っています。

再演が決まったときから楽しみにしておりましたが、6月2日更新の「R:MIXけいこ場日記」を読んで、驚くとともに「一体どれだけ進化したものが観られるのだろう」と、期待は高まるばかりです。
今年初めてご覧になるという方にも、是非劇場に足を運ばれることを、おすすめ致します。