魔王転生
- この世のすべての人々を、愚かと呪い忌み嫌った魔王オルステッドがルクレチアに舞い降りて幾年月…
その復讐と怨念に満ちた大軍団はルクレチア王家を虐殺し人々を隷属させると、この世に明けぬ闇夜をもたらさんとしていた…
そして、漆黒と鮮血の軍団は新たなる矛先を、ルクレチア王家の生き残りをかくまったエスペラントへと向けようとする中、ルクレチア、ザクソニア、八幡国、エスペラントの4国より希望の勇者立ちあがり魔王軍に対し戦いを挑まんとする
明けぬ夜明けの光明は、月明かりとなりて人々に表情を取り戻す…
しかし、それは更なる絶望の叫びであった…
降り注ぐ涙の雨
舞い散る人の命…
死があらゆる感情を征服し絶叫は落雷となりて全土を揺るがす大いなる魔導師サブリナの預言書を軸に翻弄される人々の物語…
ルクレチアに再び光が戻る事はあるのか?はたして魔王を倒す事は可能なのだろうか?
勇者達に迫る、絶望の選択肢…
「月がもうすぐ堕ちる・・・我、降臨シセリ…」
魔王転生 ストーリー
ルクレチアに恐怖の魔王オルステッドが降臨して以来、 王都は殺戮と粛清の日々が続き、前王ユリウス時代の寵臣たちは皆殺しにされ、 汚職や賄賂に汚れていた。中央都の族達もまた魔王軍によって打ち滅ぼされていた。 抵抗を試みた貴族や民衆達もまたかくのごとくで、 人々は日々流れ続ける血を恐れ、晒される死体からこの世の地獄を感じえずにいられなかった…
そして魔王の軍の粛清が王家の生き残りアドニスにもたらされた折、 王家の血縁 最後の生き残りであるエミリア王女は、 腹心の部下と共にエスペラントへ向けて逃亡を開始する。 エスペラントへの道のりを、人目を避けて森の中を行軍する一行の前に姿 をあらわす ザクソニアの死神ミハイル=グレノール。 慌てて立ち向かうエミリアの護衛のヘンリーとプルケウスであったが、 凄腕のミハイルの前には歯が立たず、子供のようにあしらわれてしまう。 ところがそこへ魔王軍の死天将軍の一人スペクター・参謀長のアシュレイが現れると、 ミハイルは突如現れた遠き異国の男、八幡人 のコジロウと共にエミリア達に手を貸し、 救い出してくれる。プルケウスの尊い犠牲を背にエスペラントへ落ち延びたエミリア一行は、 そこでミハイルやコジロウの動きを束ねていた反魔王連合のリーダーで、 エスペラントの名門貴族ベルク家の若き世継ぎであるレナードと出会う。
レナードは魔王軍の恐るべき力を倒すため、サブリナの予言に示す5つの魂、 すなわち5人の勇者を捜し集めるこ と、 そして周辺諸国及びルクレチア国内の反魔王の勢力が一つにまとまるべきを説いていた。 それに賛同し理解の心を示すエミリア、レナードやミハイルの準備は整い、 反魔王同盟「旭日の軍」はその内に秘めた闘志の炎を吐き出す時を今か今かと待ち構えていた。
ところがレナードらの計画は魔王軍参謀長アシュレイの前には筒抜けであった。 満を持し て出撃した「旭日の軍」は呼応するはずの ザクソニア軍・ルクレチアのレジスタンスとの連絡が取れず、 情勢は一変し、孤立してしまう。 アシュレイの計画によって放たれた魔王軍戦闘隊長サイサリスと死天将軍のゴーストによって ザクソニア軍は出鼻をくじかれる。 血祭りに上げられた将軍の首を土産に、サイサリスはザクソニア王と和睦を執りつけており、 また、ルクレチアに放たれた密偵はファントム将軍の部隊によって 一人残らず殺戮されていたため、連絡が伝わらずにいたのだ。 アシュレイとレイス、そして ファントムの軍に追い詰められたレナードが死を覚悟した時、 一筋の落雷が放たれ、ルクレチア最大のレジスタンスのリーダー、 カミル=リチャードが現れ、レナードを救出する。
一方、ザクソニアの一軍を率いて東より攻めあがっていたミハイルは、 スペクターとの戦いの最中にザクソニア本国が和睦を執りつけたことを知る。 その驚愕の事実 に、ミハイルは自らの同盟をまとめ上げ切れなかった責を感じ、 単身魔王の元へと忍び込んで暗殺を図ろうとするが、留守役をあずかるゴーストに見つかり、 すぐに死闘を演じること になる。ところがそこへ奥にいたはずの魔王オルステッドが姿をあらわした。 ミハイルと同様の考えから、単身魔王を討とうと考えていた武芸者コジロウによって 発見さ れたオルステッドは、コジロウの太刀筋をかわしながらも、 力を発揮できる大広間へと彼を導いていたのだ。 そして広間での戦いが繰り広げられるのだが、コジロウの刀は魔剣 ラグナロクに破れ、 ミハイルの鎌はオルステッドの纏う鎧ブラックレネゲイドの前には歯が立たない…
狼狽したコジロウはゴーストの剣技に切り刻まれ、ミハイルによって 命からがら逃げ出すことになる。 なんとか城下町へ落ち延びたミハイルとコジロウは、 カミルとレナードに助けられレジスタンスのアジトへ運び込まれる。 最後の希望であった作戦の失敗、「旭日の軍」の壊滅、実際に刃をあわせた魔王の想像を超える強さと そのあまりにも強い装備、そして彼を取り巻く優れた将軍達などの軍勢に、 一度は心の刃が折れそうになる一 行であったが、エミリアやその取り巻きの一人、 ヘンリーの励ましで再び剣を手に立ち上がることを誓う。
一方で同盟軍を見事に退け、絶望的な状況に追い込んだアシュレイら魔王軍の幹部達は、 次なる作戦に動き始めていた。作戦名は「オペレーションブラッドレイン」。 その内容はゴースト将軍を使い「同盟国家に首謀者の首を差し出すことと 引き換えに、 今回の抵抗の咎をすべて無くし、税率も大幅に引き下げる」という約束を取り付けることで、 民衆達によって首謀者を炙り出させ、勇者達に絶望的な思いをさせるというもの。 更に はドラガー出身のスペクター将軍の秘術「鎮魂招起霊呪の法」(死体をゾンビ化させて戦わせる)に 魔王の魔力を用いて、先の抵抗での戦死者を軍団に加え、 その先陣に は土塊から偽りの生命を生み出すアシュレイの秘術「傀儡反魂隷属の法」を用いて 人工の兵士を作り出し率いさせるというもの。 即ち、まさしく不死の軍団を作り、それ に抵抗した兵士を殺害し、更に不死の兵士に変えていくという、 抵抗する気力さえも奪う邪悪な作戦を展開していたのだ。
守るはずの民衆に命を狙われたミハイルは抵抗する気力を無くし、 魔王軍の囚わ れとなる。そして時を同じくして戦いに勝利を見出せなくなったコジロウもまた、 魔王軍の内部より勝利を見出すためと称してサイサリスの前に降伏をする。
一方、レナードの故郷エスペラントの首都では作戦を完全なものとするため、 魔王自らがエスペラント軍を皆殺しにし、町を魔術をもって崩壊させる。 エスペラント国民 に対して抵抗の無意味さと状況の絶望感を与えることにより、 その怒りの矛先を魔王軍に徹底抗戦を主張するベルク家へ向けさせることに成功、 ベルク家は、恐怖に怯え 目的を見失ったエスペラントの人々によって皆殺しにされてしまう。 レジスタンスにおいて魔王軍に対しての次の戦略を練っていたレナードはその事実に驚愕し、 単身エスペラントへ戻ってしまう。ザクソニア・エスペラントの2大勢力を沈黙させた魔王軍は、 アシュレイの指導のもと死天将軍による国内の残存勢力・レジスタンスらをほぼ壊滅させると、 その力 をもっていよいよ世界制覇へと乗り出さんとしていた。
幽閉されたミハイルとコジロウ、行方をくらましたレナード、 そしてわずかな手勢を率いるカミルらに魔王軍を倒すことは可能なのだろうか?
預言書の謎、追い詰められる勇者達の最後の作戦、守るべき者達の裏切り、そして戦いの意味。 すべてが交錯し絡み合い織り成す「魔」の世界…
果たして魔王オルステッドを倒すことは可能なのだろうか? ルクレチアに再び平和は訪れるのだろうか?勇者達に迫る絶望の選択肢
「月がもうすぐ堕ちる… 我、降臨シセリ…」